2018/04/08

殻を破ること,見る前に跳べ

新しい学生さんも入ってきて新年度が始まりました.
今年はいったいどんな一年になるのか,
新人さんも不安でしょうが,
受け入れる側も案外不安なのです.

学生さんの兄貴分である,という意識はいつまでもあるのですが,
現実問題として,新人さんとの年齢差は年々広がっていきますから,
学生さんからすると隔たりが強くなっていくのかもしれません.

ここ数年の学生さんの傾向ですが,
非常に無難です.
大きく間違ったことはしないような気がします.
例えば,
休暇は,旅ではなく旅行をします.
名所などのポイントは押さえます.
就職するにしても,
誰もが知っている超一流企業を目指します.
ご両親は安心ですね.

ただ,現在の18歳人口の二倍の人数がいた時代の僕としては,
現在の学生さんたちに何か物足りなさを感じざるをえないのです.
僕たちは,人より目立たなくてはいけない,
人と違った経験をいかにするか,
ということをかなり意識していましたし,
そこにアイデンティティを求めていたと思います.
だから,誰かが放浪の旅に出た,と聞くと,
負けじとどこかを放浪したくなったり,
逆に,みんながしていることは誰でもできることだからつまらない
と感じたものでした.

非常に無難な選択をすると周囲の人は想定の範囲内のことなので,
安心だと思います.
だから,ワークライフバランスが大切,ということも頷けます.
だけど,大学を出た学生さんに求められる社会的役割は,
イノベーションであったり,クリエイティビティであったりします.
想定の範囲内の行動になれていると,
イノベーションを生み出すことは困難です.
イノベーションは,社会的通念という殻を破らなくてはなりません.
この殻は相当硬く,簡単に破れません.
そういうときに,例えば,
学生時代に何かの殻を破った経験が生きてきたりするのですが,
残念ながら,無難な状況のままで何かの殻を破るという経験は得づらいのです.

大江健三郎が学生時代に描いた小説「見る前に跳べ」をぜひ読んでもらいたい.
そして,一刻も早く,自分やご両親という呪縛から解き放たれてほしいものです.

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