2018/04/27

ポルトガル・スペイン その9

いよいよ,シンガポール,チャンギ国際空港へのランディングだ.
窓から海を眺めると,無数の大型船が沖に停泊していて,
中学の地理で習った,
シンガポールで主流の中継貿易が,
よく分かった.

チャンギ国際空港は巨大な空港だった.
日本の空港,しかも,関西国際空港しか知らなかったので,
自分の見識の狭さを実感した.
とにかく巨大であるけどパスポートコントロールに近づけない,
そんな印象が残っている.

パスポートコントロールでは,お決まりのように,
何をしにきたのか?
と問われたので,
英会話の練習のつもりで,
今回の行程を事細かに説明した.
普通の旅行客が,サイトシーイング,の一言で終わらせるのに,
僕は,永遠と話し続けたおかげで,
係の人はかなりめんどくさいような雰囲気を醸しだし,
途中で打ち切られ,
スタンプを押したパスポート無造作に投げ返した.

荷物をピックアップした後に,
この旅で唯一決めている宿に向けて,
タクシーで向かった.
今思えば,このときは,まだお金に余裕があったのだ.

オーチャード通りの側の安いホテルにチェックインした後,
同じタクシーで観光に.
今日のところは疲れもあるので,
とりあえず,マーライオン,を見に行った.
タクシーの運転手さんになんと言えば良いのか分からなかったので,
 I want to see mar lion.
と言ってみた.少し微笑んだ後に,
 OK
と連れて行ってくれた.

2018/04/12

目を見ればわかる

と,学生時代の指導教授が良く言ってました.
目を見るだけでその学生が優秀かどうかがわかる,
ということです.

この優秀というのは,
勉強ができる,
いわゆるIQ的にという意味ではなく,
物事に積極的に取り組み,
課題を解決したり新しいことを提案したりする,
EQと言われる部分も含まれています.
前回も少し記述しましたが,
大学3年生まではIQだけの世界,
すなわちテストだけの世界,
正解のある世界です.
日本の教育制度やそれを取り巻く環境(学校,塾やご両親など)は,
残念ながらIQしか見てません.
なので,良い大学に入ったらそれで終わりです.
そして,そういった考えの学生さんは目が曇ってます.

でも,おおよその大学関係者の意見で一致するのは,
研究室配属以降,
すなわち4年生以降の取り組み方が重要ということです.
研究室に入ると,答えのあることはほとんどしません.
世界で誰もやっていないことを追い求めなくてはなりません.
なので,何をどうすれば良いか,
自分で考えて切り開くしかないのです.
大学にいる教授と呼ばれる人は,
アドバイザーという立ち位置ですから,
主体は学生さんにあるのです.
今までの受験勉強とはまったく違うアプローチになり,
いままで順調に王道を歩んでいた学生さんが突然できなくなることは結構あります.
また,その逆で,3年生までやっとのことで進級してきた学生さんが,4年生なった途端に突然できるようなることもあります.
このような学生さんは,成績が悪いものの目が輝いているのです.

こういった目の曇る現象をどうにかしなくてはなりません.
簡単なアドバイスとしては,
いい大学に入ること,一流企業に入社すること,
は一旦置いておいて,

もっと大きな目標を立てることです.
自分は何に興味があるのか,
自分は何をして世界文化の進展に貢献するのか.
考え抜くことです.

そうすれば,自然と目が輝いてきます.

2018/04/08

殻を破ること,見る前に跳べ

新しい学生さんも入ってきて新年度が始まりました.
今年はいったいどんな一年になるのか,
新人さんも不安でしょうが,
受け入れる側も案外不安なのです.

学生さんの兄貴分である,という意識はいつまでもあるのですが,
現実問題として,新人さんとの年齢差は年々広がっていきますから,
学生さんからすると隔たりが強くなっていくのかもしれません.

ここ数年の学生さんの傾向ですが,
非常に無難です.
大きく間違ったことはしないような気がします.
例えば,
休暇は,旅ではなく旅行をします.
名所などのポイントは押さえます.
就職するにしても,
誰もが知っている超一流企業を目指します.
ご両親は安心ですね.

ただ,現在の18歳人口の二倍の人数がいた時代の僕としては,
現在の学生さんたちに何か物足りなさを感じざるをえないのです.
僕たちは,人より目立たなくてはいけない,
人と違った経験をいかにするか,
ということをかなり意識していましたし,
そこにアイデンティティを求めていたと思います.
だから,誰かが放浪の旅に出た,と聞くと,
負けじとどこかを放浪したくなったり,
逆に,みんながしていることは誰でもできることだからつまらない
と感じたものでした.

非常に無難な選択をすると周囲の人は想定の範囲内のことなので,
安心だと思います.
だから,ワークライフバランスが大切,ということも頷けます.
だけど,大学を出た学生さんに求められる社会的役割は,
イノベーションであったり,クリエイティビティであったりします.
想定の範囲内の行動になれていると,
イノベーションを生み出すことは困難です.
イノベーションは,社会的通念という殻を破らなくてはなりません.
この殻は相当硬く,簡単に破れません.
そういうときに,例えば,
学生時代に何かの殻を破った経験が生きてきたりするのですが,
残念ながら,無難な状況のままで何かの殻を破るという経験は得づらいのです.

大江健三郎が学生時代に描いた小説「見る前に跳べ」をぜひ読んでもらいたい.
そして,一刻も早く,自分やご両親という呪縛から解き放たれてほしいものです.

インターネット時代で気をつけた方がよいこと 〜偏った思想に触れること〜

 インターネットが日常で当たり前になり,SNSなど個人の情報を一方的に発信することができるようになってきた.そのおかげで,見る側の人間にとっては,不特定多数の人々の意見を目にすることができるのである.それらの情報の中には,有益な物が多い一方で,少し過激で偏った情報もたくさんあり注...