夏目漱石著 我輩は猫である
30年ぶりぐらいに「我輩は猫である」を読んでいる.
すっかり内容を忘れているで再読ながら読んでいて新鮮だ.
主人公の猫の独白や行動が可愛らしく,
また,
先生など登場人物が猫目線で滑稽に描かれている.
夏目漱石のユーモアが心地よい作品である.
そして,文の調子にお経のリズムがあり,
お経を唱えるか如くリズミカルに読むことができる.
改めて漱石の文章の巧さがよく分かる.
最近は,猫ブームなので,この本を朝の連続テレビドラマにしたら,
結構人気が出るのではないかと思う.
こんなことは30年前に考えもしなかったので,
再読もいいものだと思う.
昨今の本は,ストーリー展開の意外性がとりだたされるが,
ヘミングウェイや夏目漱石など淡々とストーリーが展開しながらも,
文章の巧さを味わうのも良いものである.