北海道の出張では,僕の恩師といえる人と,
3泊4日間,ずっと一緒でした.
この恩師は,僕が学生時代に共同研究でお世話になった,
理化学研究所の研究員(現在は,北里大学教授)の方です.
思い返しても,日々,鍛えられました.
ノートを持たずに実験をしただけで,
コテンパンに怒られて,
それはもう,生きていく価値ないな,と思うぐらい.
現在の学生さんなら耐えられないだろうね.
でも,とても良い勉強になって,
今の僕の根幹を築いていただきました.
その方からは,学生時代に,
「一週間,寝食を共にして,研究者たる者はどういうものか勉強しにきなさい」
と言われてました.
学生時代は,結局チャンスがなくて,
そういう意味では,20年ぶりにそれが実現されました.
とにかく,北海道滞在中は,いろんな話をしました.
研究のこと,日本の将来のこと,学生さんのこと,生き方とか.
具体的な内容は,ここではおいおいお話するとして,
一つ気がついたことがあります.
彼は,中学2年生の時に,SL写真を撮影するために,
京都からオホーツクまで一人旅をしたそうです.
新幹線もなく,青函トンネルもない時代,
ガタゴトと電車に揺られて,船に乗って,
遠くオホーツクまでやってきたそうです.
色んな人との出会いがあり,
色んな経験をしたようですね.
それにしても,中学2年生で一人旅,
とは本当にしっかりとされてます.
僕の一人旅は,大学生になってからですから,
その差は歴然としています.
研究室に戻って学生さんたちと話をしましたが,
一人旅をしたことがある学生さんは,
一人だけということに驚きました.
僕が学生時代のころは,割と多かったのですが.
年々,幼稚化しているのかもしれません.
現在の職場には中学2年生の息子さんを持つお母様もいます.
週に何回か塾の送り迎えをしているそうです.
同じ中学2年生でも,
方や,北海道へ一人旅,
方や,塾の送り迎え.
どちらが,しっかりした,
自分で考えることのできる大人になるのか火を見るよりも明らかですよね.
大切に大切にされた末に大学に入学して,
とつぜん,荒波に放り出されて,
世界と渡り合えるのだろうか.
残念ながら,気持ちが負けてしまい,
病んでしまう学生さんがたくさんいるのです.
もちろん,厳しい指導はできません.
なんとかごまかして卒業して貰うしかないのです.
これでは,なんのために塾の送り迎えをしたのか分からないですね.
やっぱり,
日本の将来はどうなってしまうのか,
心配になってしまいます.
我が子がかわいいと思うのなら,
我慢をして旅をさせた方が良いのです.
2019/03/08
オホーツクにて
先日,三泊四日で北海道の遠軽に行ってきました.
遊びではなく研究で.
千歳まで飛行機で行き,その後,列車で移動.
列車では,千歳-札幌,札幌-旭川,旭川-遠軽.
朝,9時ごろの飛行機にのって,
遠軽についたのは18時ごろ.
女満別まで飛行機で行っても良かったのですが,
飛行場が雪で閉鎖されるのを恐れて,
少しでも閉鎖の確率の少ない千歳へ.
それと,せっかく行くのだから,
真冬の雪一面の大自然をとことん味わいたく,
列車を利用しました.
しかし,旭川までは意外と都会で,
ちょっと期待外れ.雪は多いのだけどね.
でも,せっかく来たのだから,旭川ラーメンを食べて.
その後,旭川から快速に揺られること2時間30分.
期待通り.
1両編成の快速列車には,
僕の他には現地の人だけが乗車していました.
旅情満点です.
雪煙を上げながら一生懸命エンジンがうなってました.
鉄道マニアではないのですが,でも,廃線の危機に立たされていると聞き,
ちょっと寂しい気持ちにもなります.
インターネットが普及して,
欲しい情報がすぐ手に入り,
情報を取得するまでの過程で得られる経験がないがしろにされている,
現在の状況と重なってしまいました.
結果よりも過程に意味があるのですが.
特に,学生時代にはね.
なので,テストの点ばかり気にしていてはいけないよ.
やっぱり,二回微分の考え方だよな,
そんなことを考えながら,
車窓の風景を見ていました.
(写真は,二泊目の宿の朝の光景です.左奥は,能取湖.全部凍ってます.)
登録:
投稿 (Atom)
インターネット時代で気をつけた方がよいこと 〜偏った思想に触れること〜
インターネットが日常で当たり前になり,SNSなど個人の情報を一方的に発信することができるようになってきた.そのおかげで,見る側の人間にとっては,不特定多数の人々の意見を目にすることができるのである.それらの情報の中には,有益な物が多い一方で,少し過激で偏った情報もたくさんあり注...
-
変えてみました. ポルトガルに行った時に撮した写真. 路地でみんな楽しそうに夕食を食べてました.
-
インターネットが日常で当たり前になり,SNSなど個人の情報を一方的に発信することができるようになってきた.そのおかげで,見る側の人間にとっては,不特定多数の人々の意見を目にすることができるのである.それらの情報の中には,有益な物が多い一方で,少し過激で偏った情報もたくさんあり注...
-
知り合いと働き方改革の話をした。 彼は、わたしより10歳ぐらい若い。 彼らの世代と私の世代には大きな認識の格差がある。 仕事にやりがいや意義を求めるか、 仕事は生活の一部であるか。 その差が大きいようで、多分、話は平行線。 彼らは、事前に計画を出されてその仕事を淡...