2021/09/29

インターネット時代で気をつけた方がよいこと 〜偏った思想に触れること〜

 インターネットが日常で当たり前になり,SNSなど個人の情報を一方的に発信することができるようになってきた.そのおかげで,見る側の人間にとっては,不特定多数の人々の意見を目にすることができるのである.それらの情報の中には,有益な物が多い一方で,少し過激で偏った情報もたくさんあり注意が必要だ.

インターネットが普及する以前でも,もちろん,偏った思想や考え方は世の中に存在していた.しかしながら,それらの思想や考え方には,時間をわざわざ削って,それらの思想や考え方がある場所に直接触れに行かない限り接することは無かった.

なので,偏った思想や考え方に触れようとする課程において,なにかしらの違和感のような雰囲気を肌で感じることができて触れずに済む,ということができた.

ところが,インターネット上で,それらの思想が披露されるようになり,誰もが気軽に興味本位で触れられるようになった.すなわち,本来なら触れる必要の無い思想にも,気安く触れることができるのである.相手もプロであるので,いろんなことを心地よく記載しているから,知らず知らずのうちに引き込まれる事態も発生するのである.

以前なら,自分が生きてきた中で信用できる人間として,親,先生,友人,先輩しかいなかった.後は,書籍からの情報だけだ.これらの情報源のどこかに偏った思想が無ければ,まず,変な方向に導かれることはないのである.その強固な関係性に,なんとかして割って入ってくるのが偏った思想だった.もちろん,強固な関係性だからなかなか割ることはできないのである.

何を信じ,何を疑えば良いのか.情報が溢れすぎていて,疑心暗鬼が広がっている.

現代の学生達は,とても厳しい状況に置かれているように思われる.

でも,実は一番簡単な解決方法がある.それは,身近な人の生の意見を信じる,である.

2021/09/02

ボッチャ

 昨日,ボッチャをたまたま見ました.


健常者の投げ方と違うので,

予想外の玉の軌道を描きます.

なので,あ,失敗した,と感じても,

ピタッと止まる.

思わず「おーーっ」と声が出てしまいます.

ボッチャの球も絶妙に転がるので,

それもまた想像できない動きを演出しています.


精度の高いコントロールと,

限られた時間の中での戦略性と.

思わず見入ってしまいました.


杉村さんが日本人で初めての個人種目金メダル.

素直に感動しました.


次は団体戦だそうです.

チームの愛称は「火の玉ジャパン」.

誰がつけたのか言い得て妙.

かっこいい名前です.

また,応援します.

2021/08/31

価値観の押しつけ

最近,「価値観の押しつけ」という言葉をよく耳にする.この言葉を発するのは,高校生ぐらいから30代前半までの人々です.僕の研究室の学生からも年に1回か2回ぐらいきくことがある.しかし,この言葉を聞く度に何か違和感のような物を感じてしまうのです.


たとえば,パラリンピックを小学生に観戦させるという施策が実施されています.身体に障がいのある人がいろんなことを乗り越えて檜舞台に立つ姿から,これからの時代を担っていく小学生にいろいろと訪れる困難を乗り越えていくときの励みにして欲しい.というような理由からだと思う.これに対して,大人の価値観を子どもに押しつけるな,という発言がでてくる.


そもそも,「価値観の押しつけ」とは何で,何がいけないのか.いろいろと調べてみると,

・自分の価値観を他人に押しつけること

・この行為が良く無いとされる理由は,人それぞれ考え方も感じ方も違うから

である.

「価値観の押しつけ」は,あまりにも愚かで非生産的とまで言っている人もいる.


さて,自分の子ども時代からのことを振り返ってみると,ほとんどすべてが「価値観の押しつけ」だったような気がする.

・夏休みの登校日に原爆の体験談を聞かされた(広島に住んでいたから)

・クラスに障がいのある子どものために指文字をやらされた

・勉強の何が良いかも知らされずに勉強させられた

・望んでもないのに習字をさせられた

といろいろと考え出すと枚挙に遑がない.そして,大体において,そのとき,めんどくさいとか他にもしたいことがあるとか,何らかのストレスを感じる状況にあった.


そう考えると,「価値観の押しつけ」は,単なる良いわけではないかという気がしてくる.

もちろん,押しつけられたときは,ストレスを感じるわけで,すなわち,そのとき瞬間的にに良かったと思うことはほとんどない.だけど,10年ぐらい経ってみると,この押しつけのせいで,例えば,原爆のことを真剣に考えるようになったし,指文字で会話ができるようになっているし,基礎があるおかげで勉強も楽しくできる.100%良かったということではないけど,結構たくさん良いことがある.いずれも,「価値観の押しつけ」は,きっかけを与えてくれていた.


極端に考えて見るとわかりやすいのだけど,押しつけられずに個人尊重の名のもとに,子どもの価値観のまま大人になったらどうなるのか想像に難くない.


研究室の学生にはよく言います.分かれ道があって,一方は華やかな道,他方は棘の道.でも,華やかな道は,その先の曲がり角を曲がると崖しかない.棘の道は,しばらく我慢しているととても素敵な道が広がっている.若い人は,手前しか見えてないけど,年齢を重ねた諸先輩方はその先を経験している.だからこそ,棘の道を行きなさいと言う.もちろん,やり直しのきく社会だから,崖を見つけて引き返して,棘の路に進む方法もあるけど,時間的なロスが大きくとても非効率.効率が良いと思って取り組んでいたのに実は非効率だった.


歳や経験がある人は「価値観の押しつけ」をすることが義務なのではないかと思う.若い人は,めんどくさいとおもいながらも聞いていると,案外良いことが多いと思う.

2021/03/09

キャンセルカルチャー

 一言でも,大多数の人と異なる意見を言うと,

バッシングされ,
ひどくなると職を奪われたり,
社会的に排除されたり.
これをキャンセルカルチャーと言うようです.

インターネットが当たり前になり,
SNSなど,立ち止まることなくノークッションで発言できるツールが出現し,
そして,不寛容さが広がってます.

少数の意見にも耳を傾けることが民主主義の根幹です.
今,民主主義の岐路に立たされているのではないでしょうか?

インターネット時代で気をつけた方がよいこと 〜偏った思想に触れること〜

 インターネットが日常で当たり前になり,SNSなど個人の情報を一方的に発信することができるようになってきた.そのおかげで,見る側の人間にとっては,不特定多数の人々の意見を目にすることができるのである.それらの情報の中には,有益な物が多い一方で,少し過激で偏った情報もたくさんあり注...